No.39 第四章 暗黒の彷徨

| 2011年3月31日

No.39犬治郎はバァバの彷徨を思い、悪がどうして在るのかを思った。その種は、弱い人へのいじめなのではないのか?そう思うと無性に泣けてきた。他人の不幸を見て見ぬ振りをする、そのものが悪を作るのではないのか? 「ブヒ、ダン […]

No.38 第四章 暗黒の彷徨

| 2011年3月29日

No.38鉄仮面の頭は火山地帯の様に湯気にまみれた。「バァバよ、貴様の中のわずかに残った人の部分を俺は分かる。この通り土下座して頭を下げる。悪なら悪として、どうかその人間の心を開放してくれ。頼む!」犬治郎は大粒の涙を流し […]

No.37 第四章 暗黒の彷徨

| 2011年3月29日

No.37「俺は知ってるぞ…。」犬治郎は空中浮遊する首を見つめた。「青山墓地だ!あの馬ズラだ!」バァバはなぜかその声で飼い犬の様におとなしくなった。 「貴様まだ懲りずにいるのか?」「いえ…。」よわよわしいテレパシーが反響 […]

No.36 第四章 暗黒の彷徨

| 2011年3月28日

No.36手首から身体が伸びてきたのだ。ぬるぬると仁王像の様な風体は、まさに手首から作り出された。「消え去れ。」バァバが強力な思念を浴びせ掛けた。すると仁王像の頭だけが消し飛んでしまった。 頭を失ったキングドラゴンは、竜 […]

No.35 第四章 暗黒の彷徨

| 2011年3月27日

No.35「いや、思念の力で捻じ曲げられているのじゃ。恐ろしい力じゃぞ…。」長老が言った。「どこかで見かけた気がする奴だ。思い出せん。」犬治郎が首を捻った。 「あれはババシカオスの片割れ、バァバだわ。迷宮の魔人ですわ。い […]

No.34 第四章 暗黒の彷徨

| 2011年3月25日

No.34キングドラゴンの手首はモンブラン伯爵夫人の言うとおり、みるみる高度を失い落下して行った。悪の力ももはやこれまでだ。地球の裏ほどの距離にいたバァバはそれをいち早く察知した。強い思念は空間を引き裂き、一瞬にそこに移 […]

No.33 第四章 暗黒の彷徨

| 2011年3月24日

No.33モンブラン伯爵夫人の元にあるキングドラゴンの手首は、強烈なテレパシーを察知して突然飛び上がった。物凄い速度で旋回を繰り返すと北の空に消えた。夫人も犬治郎らもそれを見て呆気にとられた。「もう一度手合わせ致しますわ […]

No.32 第四章 暗黒の彷徨

| 2011年3月23日

No.32バァバは猛り狂うテレパシーを発し、前進をはじめた。「キングドラゴン!貴様を殺すことだけに俺は迷宮を開放された。」 その強烈なテレパシーはそれだけで嵐を巻き起こし、20キロ四方の数万人を一瞬に殺戮した。空はにわか […]

No.31 第四章 暗黒の彷徨

| 2011年3月22日

No.31バァバは突然開いた外界の扉に、暗黒を一歩ずつゆっくりと近付いて行った。この迷宮に入ろうという者が誰なのか?その姿は逆光で何も見えないが、目のない目が凝視した。ただ事でない気を感じ、バァバは半歩下がった。 光の影 […]

No.30 第四章 暗黒の彷徨

| 2011年3月19日

No.30ミノタウロスが迷宮を彷徨うかのごとく、目も鼻もない怪人シカオスの片割れ、バァバは暗黒を彷徨っていた。超能力者、馬場鹿男のなれの果ての姿だ。 ラフレシアの夢の原型化で、ヤヌスのごとき二頭の怪人ババシカオスとなり、 […]