癒しと木琴

 

 

私のインプロヴィゼーションはどうやっても目を開けて聴いていられないということを聞いたことがある。つまり眠ってしまいたくなるほどの状態になってしまうのだ。

これは人によるのだろうが、実は私にもその経験がある。自分の演奏を録音で聴いていて知らぬ間に眠っていることがよくある。

どうにも目が開けられぬほどのときもある。そのとき意識はどこかに行ってしまっている。

科学的に捉えれば睡眠状態ということであろうが、アフリカンザイロフォンの音色には共鳴や唸りなどの要素が多く含まれていて、これが意識を気持ちの和む弛緩状態に持ってゆくのだろう。

しかし、私は少し違う考えも持っている、私のインプロビゼーションの眠気はどうも能楽と同質のものを感じるのだ。能を観るとどうにも耐えられない眠気をもよおす場合がある、これは霊的なものが降臨しやすい状態を示している。こう言ってしまうと誤解も生じるが、そこに係わるのは霊であり、精霊である。変性意識の状態に入りやすくしているのである。あえて言えばこれは私のインプロビゼーションの核心を突くことである。

その中には深い癒しに通じる何かが現れることがあるのだ。

意識チャンネルをずらす作用は往々にカタルシスにも通じる、神霊を信じた古来の能楽の後などには深い癒しがあったのではないだろうか?