日本の自然霊

 

おもに私のインプロビゼーション演奏のテーマは、言うなれば自然霊である。広葉樹林の林とか、伊勢の原生林などの、総体としての生命をインスピレーションのターゲットととしてできあがっている。

はからずも富士山や、松林、川などから、神話的人物が目前に現れ出ることもしばしばだ。

また、「鳥獣戯画」「山水長巻」などの日本の絵巻物が細部まで自ずからに現れてくることもある。
その見え方は幻視というべきものをはるかに超えた、生き生きとした命の基を湛え、水の湧き出る様など目の当たりに見て驚かされることもある。

こう云うと、私のインプロビゼーションに何か胡散臭い感じが伴って聞こえるが、これはまさにザイロフォンの奇想の力に他ならない。

明らかにアフリカ木琴というものは、シャーマニックなインストロメンツそのものだと私は思う。
なにもアフリカの楽器であるからといって、その生まれた地域的な縛りをひきずることはない。
私は本来の意味においての使用法の方を優先すべきものだと思う。

その意味においても、日本の自然霊がインプロヴィゼーションの演奏に降りてくることは自然なことであるだろう。
私のインプロビゼーションは、そのことに主眼が置かれている。